sun and moon

since’06.11/25 。HP復活しちゃいました。こちらはtext blogです^^
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心、ほどいて・・・第8話 (リレー小説)

►2008/04/30 10:38 

『う〜ん、どれにしようかなぁ♪』










クローゼットの中から洋服を引っ張り出して、






鏡の前で行ったり来たり。













「着こなせる女になれ」・・・なん〜て、あまりにもサラっと言うから





ちょっとプレッシャー感じちゃうけど。










こうして誰かのために服を選ぶのってすごく嬉しい。













同じベッドで眠ることも・・・






一緒にごはん食べることも・・・










「そんなことが嬉しいの?」って





誰かに笑われてしまいそうだけど・・・









そんなことだから 嬉しい。






ちょっとしたやりとりでさえ、そこに幸せを感じるんだ。











きっとこれが・・・







あたしの”幸せのカタチ”なんだよね。













・・・これからも このカタチが もっともっと増えていきますように・・・
























花沢類が帰国してからも、





道明寺は相変わらずの毎日だけど・・・












前より帰宅する時間も早くなったし、





休日も一緒に過ごせるようにもなった。











最近の道明寺は以前にも増して すごーく優しくなって、




ちょっとした気遣いがくすぐったいぐらい。









今まですごく不安で・・・







本当にあたしは必要な存在なのかな?って






思い悩んだ時もあったけど・・・







それを忘れてしまうぐらい充実した日々が続いている。















今日は 待ちに待った休日。






これから道明寺とデート。








この前はあたしの提案で公園でのんびりデートだったけど・・・






今日のプランは道明寺におまかせ。








どこに連れて行ってもらえるのか 朝からちょっとドキドキ。










ベッドの傍らに座り、顔だけだして




綺麗な寝顔を覗き込んでいると・・・








それは一瞬の出来事で・・・









・・・///きゃっ///・・・













『///ちょ、ちょっと!ダメだってばぁ!///





///洋服がシワシワになっちゃうよ!///』












無理やり引きずりこまれたベッドの上で 足をバタバタ。













『そんなの気にするな。また買ってやる』












目を覚ましたばかりの飢えた猛獣があたしに襲いかかる。















『///こ、これから出かけるんでしょ?///』
















『午後にしようぜ♪』















着替えたばかりのあたしのボタンを器用に外していく道明寺。
















・・・このままじゃ、まずい・・・









・・・せっかく楽しみにしていた休日が・・・








・・・逃げ出さなきゃ・・・
















ちょうどその時、タイミングよく 呼び鈴がなった。



















『///あっ、誰か来たみたい///』














ベッドから身体を起こそうとすると
















『出なくてもいい』















道明寺が再びあたしの身体を押し倒す。

















『///もしかして ママにお願いしてた荷物かもしれないから・・・///






///ちょっと待ってて・・・///』










『ちっ(怒)』















・・・///ふぅ〜・・助かったぁ///・・・













呼び鈴の神様に助けられたあたしは






子供のように甘える道明寺をなだめ、






外されたボタンを直しながらパタパタと玄関に向った。













ドアスコープから覗くと・・・


















・・・あっ・・・
















その存在を確認すると 一瞬間を置いて





戸惑いがちに ドアを開けた。

















『おはようございます、牧野様。



お休みのところ失礼致します』













深々とあたしに頭を下げた背の高い紳士。















『おはようございます、奥村さん』












つられるように頭を下げた あたしは





突然の訪問に 動揺を隠せなかった。
















奥村さんは道明寺が最も信頼している秘書さんで、







あたしとも顔見知りだ。











こっちに来てから何かとお世話になっている。







とくに買い物の手配とか。














『あぁ、えっと・・・





今日は何か?』

















『副社長は・・・?』
















・・・やっぱり・・・














案の定その名前が出てくる。















『あ・・・今起きたところです。




呼んできますね』













複雑な気持ちで奥村さんに背を向けると
















『ここには来るなと 言ってあるはずだ』














いかにも不機嫌そうな顔をした道明寺が







そこに立っていた。















『・・・道明寺』
















『はい、それは重々承知しております。





が、しかし・・・今日こそは会議に出ていただきませんと。




先方がしびれを切らしておりまして・・・』














『俺には関係ねーよ。







全部おまえらに任せるって言ったはずだろ?』















『いや・・・それが・・・






副社長直々にお会いしたいそうで・・・』














『今日は牧野と過ごす。 






・・・帰れ』















『副社長!






それでは 今までのプロジェクトがっ』















『いいから、帰れっ!』
















突き放す強い口ぶりで、








それ以上何も言わず道明寺は そのまま部屋に戻ってしまった。













声を荒らげる道明寺を見るの久しぶりだ。












奥村さんは「参ったな・・・」と、苦笑している。











『ちょっとここで待っててください』












そう奥村さんに告げると、道明寺の後を追った。





















『ねぇ、道明寺・・・大切な会議があるんでしょ?




あたしのことはいいから仕事に行って』












不貞腐れたまま ソファーに寝転んでいるその背中に声をかけると、






「やだね」と一言。
















『ほら、子供みたいなこと言わないで。






奥村さんだって申し訳ないのを承知の上で来てくださってるのよ。






道明寺が行かないと困る人がたくさんいるんでしょ?』















本当は・・・






こんなことを口にしたくない自分がいる。














行かないで・・・と もうひとりのあたしが叫んでる。










・・・ひとりにしないで・・と・・・




















『ねっ、道明寺。






あたしは大丈夫だから。







また次があるじゃない』















・・・「行って」、「行かねー」・・・










しばらく こんな やりとりが続いて・・・












先に折れたのは・・・道明寺だった。











観念したように深い息を吐き、






「ごめんな」とあたしを抱き寄せた。











その温もりに涙がこぼれそうになった。












けど。










泣かなかった。









自分でブレーキをかけたから。

































『じゃあ、行ってくるわ。






この埋め合わせは絶対するから』













着替えをすませた道明寺が名残を惜しむように






あたしにくちづけを落とす。
















『ううん、いいの。 行ってらっしゃい』














『早く帰ってくるから』















『うん』













『鍵、ちゃんとかけろよ』












『わかってるって。





子供のお留守番じゃないのよ』













『まだガキだろ?』














『もう!




ほら、奥村さん待ってるよ』














あたしは いつまでも 出かける様子のない道明寺の大きな背中を





「行った、行った」と、押し出した。












カチャ・・・








ドアに鍵をかける。











まるで 自分の想いを封印するように。











またひとりぼっちになってしまった。








せっかく選んだ服も 今では何の意味もない。










奥村さんがやって来たとき・・・





きっとこうなるんじゃないかって・・・ 思ってた。










あの人がここに来るのは余程のことだし。








プライベートにまで顔を出さない人だもん。








とても優しくて、いい人。










それはわかってる。











わかってるよ?












でも・・・













あんなにも親切にしてくださっている奥村さんに対して あたしは・・・










最低なことを思ってしまった。














最低なのは うわべでは平気な顔をして






心の中ではワガママばかりを言っている あたしの方なのに。





















気づけば深夜になっていた。












冷たいシーツに包まって 道明寺の帰りを待っていた あたしは





なかなか眠りにつけなくて ワインをひとくち飲んでみたものの・・・






睡魔は一向にやってこなかった。













暗い闇夜の中から月がぼんやりと顔を出している。







まるで 自分の心を表しているかのように。










道明寺が出かけた後、 何もすることがなくて





掃除や読書・・・いつもと同じように過ごした。










ママにお願いしていた小包は 結局届くことはなかったけど。
















心の中で あることが引っかかっていた。












・・・「今日こそは会議に出ていただきませんと」・・・












奥村さんが 迎えに来たときに そう言ってた。













・・・「今日こそは」・・・












それって・・・どういう意味なんだろう。
















・・・「今日こそは」・・・














・・・「今日こそは」・・・
















・・・えっ・・・











・・・それって・・・







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更新遅れてゴメンなさい!


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心、ほどいて・・・ 第6話 (リレー小説)

►2008/04/24 10:11 

ケータイ 全然繋がんねーし・・・






何かあったんじゃねーかと慌てて帰ってみたら・・・











・・・なんであいつがいるんだよっ!!!・・・









この世で 一番見たくねーツーショット。









類のヤツ、俺様に断りも入れず 勝手に上がりこみやがって(怒)!










俺が帰ってこなかったら今頃・・・










・・・くぅぅぅ!・・・













考えるだけでも腹立つ。










いつまでたっても油断できねー相手だから尚更だ。














・・・第一、本当に親父さんの仕事の代わりなのか?・・・













・・・なんか・・・怪しいんだよな・・・


















類に対して、”そういう感情”は持ってないと あいつは言い張ってるが・・・












かつて好きだった相手だ。
















・・・・もしかして まだあいつのことを?・・・










・・・あぁぁぁぁ!!!口が裂けてもこんなこと言えねー!!!・・・












口に出したら敗北を認めることになる。














とにかく 今は・・・






1秒でも早く 仕事を片付けて戻らねーとな。


























車窓から移りゆく 街の景色をタバコ片手に眺めていると、







澄み切った青空の下、広い公園で 幸せそうに寝そべっている恋人たちの姿が








視界に映り込んだ。













ここに来てから毎日が慌しくて あいつの傍に居てやれなかった。
















今日だって・・・













本当に申し訳ないと思った。


















今度の週末は罪滅ぼし つーことで・・・









休みでも取って、どこかへ連れてってやるかな。











































『花沢類、ありがとね。助かっちゃった』















『いいよ、それよりこれ どこに置けばいいの?』
















『あぁ・・・えっと・・・






じゃあ、そこに置いてくれる?』














『了解』













両手いっぱいの買い物袋をドサッと大きなテーブルの上に置くと








牧野は嬉しそうに鼻歌を歌いながら、そこから食材を取り出している。












司と一緒に食事できるのが、余程嬉しかったんだろう。












買い物中もあいつのことしか話さないしさ。










正直 胸がチクッとしたけど・・・













やっと見ることができた その笑顔に免じて許してやるよ。






















『ねぇねぇ、花沢類は湯豆腐って食べたことある?』














・・・ゆ・・どうふ?・・・











・・・テレビでチラッと観たことあったような・・・











・・・う〜ん・・・なんだっけ?・・・










・・・ゆどーふ・・・ゆどーふ・・・












・・・えーっと・・・









・・・降参・・・















『何、それ?』














テレビのチャンネルを変えながら 背中越しの相手に白旗を上げる俺。













『あはは・・・







やっぱり 知らないんだ』















・・・おまえが一生懸命作ってくれた料理は何でも美味いと思うよ・・・









・・・たとえ、それが不味い庶民の味だとしてもね・・・

















『ホントに今日は楽しいな♪』























テレビに集中してるフリをして 聞き流す俺。










表情は見えないけど きっと満面の笑みなんだろうな。










その笑顔は俺に向けたもんじゃないってことは 重々承知。
















『だって、花沢類がいてくれるんだもん』











・・・!!!・・・


















『実はね・・・








こうやって誰かと話すの ホント久しぶりなんだ』

















包丁を握る手を休めながら くすっと笑った。









すごく切なそうな表情で。

















・・・久し・・ぶりって・・・どういうことだよ?・・・

















『司は?』













『帰ってくるの ここのところ遅いし、あまり話せなくて。








それに・・・





あたしも英語をうまく話せないから、






外出もままならないんだ。









買い物すら ひとりで満足に行けないし。







ここに来てから ずっと おんぶに抱っこなんだ。







少しでも道明寺の役に立ちたいと思ってるのに 、






いざとなったら何もできなくて・・・ホント情けないよね』


















子供のようにペロっと舌を出し、苦笑する牧野。











きっとこれが本音なんだろう。











あんなに幸せいっぱいな笑顔で 旅立って行ったのに・・・











1ヶ月足らずで こんなにも変わっちまうのか?
















まるで・・・








昔の俺みたいだ・・・














静を追いかけていった あの時の俺と似てる。


















『花沢類・・・』


















『ん?』
















『さっきはありがとね。






口裏 合わせてくれて・・・』

















『あぁ、そんなこと。






いちいち気にするなよ』











『うん。







じゃあ 今夜は花沢類のために






腕によりをかけて 庶民の味たくさん作っちゃうからね!』

























やっぱり・・・








ひとりで葛藤してたのか。














さっきのあの涙だって・・・







あの小さな言い訳だって・・・













全ては司を思ってのこと。














あいつの言葉で一喜一憂している牧野のことだ。










こんな生活があと何日・・・もつのだろうか。
















なのに、司は 目の前の現実にまだ気づいていない。








こんなに寂しい想いをしている・・・ということに。






























『道明寺・・・遅いな』
















料理を目の前に 頬杖をついた牧野がポツリと呟く。












食事をするには随分遅い時間だ。 












RRRRRRRRRRRR・・・・















電話が鳴った。















『あっ、道明寺だ!』















嬉しそうに 慌てて席を立つ牧野。












その姿はまさに恋する女。










やっぱり妬ける。















『もしもし、道明寺?』














俺に背を向けた状態で 何やら話をしている。









さっきまで明るかった声のトーンが 次第に暗くなっていく。











その声の重みで 今、どんな会話をしているのか すぐに読み取れた。











受話器を置いた牧野は 俺に気づかれないように小さく息を吐くと、







何事もなかったかのように笑顔で席についた。















『さっ、食べよ♪』










『今の・・・司だろ?』














『・・・うん。










仕事先で何かトラブルがあったみたいなの。








今夜もまた遅くなるからって。食事はいらないって』


















『・・・・・』

















『でも、花沢類が居てくれてよかったよ。








だってこんな量 ひとりじゃ食べきれないもん。









ほら食べて。湯豆腐温まるよ』















立ち上る湯気の向こうで、自分の感情を必死に抑えている牧野。









笑顔を取り繕うとする姿が痛々しい。








箸を持つ指先が微かに震えている。

















『あらっ、やだ。









飲み物用意してなかったね、ちょっと待っててね』

























・・・まったく、あいつ・・・何やってんだよ・・・










テーブルの下で怒りの拳を握りしめた。
















確かにあいつの立場も解る。















同じジュニアとして・・・










でもな、司・・・







これでいいのか?







このまま 放っておいていいのか?







おまえにとって 牧野は単なる気休めなのか?








ただ 必要なときだけ 猫かわいがりしてるだけじゃないのか?










牧野なら 解ってくれる、ひとりでも大丈夫だって







安心しきってるんだろ?












牧野も牧野であいつの負担にならないように 





自分の気持ちを偽って明るく振舞っているから・・・






司は いつになったって その気持ちに気づかないんだ。











これじゃ、牧野が潰れていくのが目に見える。





















俺は・・・








司なら牧野を幸せにできると思ったからこそ、








愛情より・・・友情の道を選んだんだ。












でも・・・









このまま牧野を放っておくことはできない。














せっかく 冷たい氷の中に閉じ込めた 小さな決心が、









どうやら溶け出してしまったみたいだ。














どうする?俺?












このまま何も言わず日本へ帰っちまうつもりか?









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最後の語り・・・



どうする?俺?ってところ。


某カード会社のCMみたいですねって言われたことがあります(笑)。

もう流れてませんけど^^


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心、ほどいて・・・第4話 (リレー小説)

►2008/04/22 06:26 












喪失感・・・







これ以外、今の俺を表す言葉はない。









1ヶ月前。







俺の目の前で 彼女は愛する男の胸に飛び込んでいった。





その姿を見つめながら、








・・・彼女が幸せになるならば・・・





・・・ずっと笑っていてくれるならば・・・






・・・喜んで送り出そう・・・






・・・そして彼女への感情は押し殺してしまおう・・・









そう思っていた。















あれから1ヶ月。








あの二人がいなくなったこと以外、




俺を取り巻く環境は何ひとつ変わらない。












変わったこと・・・








あえて言うなら、彼女への想いが以前にも増して




大きくなってしまったということぐらい。









しかしその彼女は今はもうここにはいない。






自分の一部を失ったような・・・






言い表せぬ喪失感だけが今の俺を支配していた。

















あの日の俺は自分の気持ちを抑えきることができなくて、




気づいたら電話を手にしていた。












・・・おそらく寝ている時間だろう・・・








そんなことは分かっていた。










・でも・・・






せめて一言だけでもいい・・・










彼女の元気な声がどうしても聞きたかった。














ボタンを押す俺の指先は 明らかに震えていた。







何を話したらいいのか分からずに・・・






咄嗟に口にした英語。







その内容は・・・






ずっと胸に秘めてきた彼女へ愛の告白。





こんなことを いとも簡単に言ってしまう自分が逆に信じられなかった。











電話越しから聞こえてくる彼女の声は俺の予想とは反して、




どこか寂しさを感じさせるものだった。







明るく振舞ってはいるものの、言葉の端々から寂しさが伝わってくる。







あいつがいない間、きっと心細い思いをしているのだろう。






自己犠牲のかたまりみたいな彼女のことだ。





寂しいなんて弱音を吐くことは絶対にない。





これは昔からの彼女の悪いクセ。









それを必死に隠そうとする彼女が健気でならなかったし、



寂しい思いをさせていることに気づかない親友が許せなかった。









・・・愛する女が泣いている・・・











そう思うだけで俺は居ても立ってもいられなくて・・・




気づいたら あの時のように飛行機に飛び乗っていた。





































・・・どうしてあたしの気持ち  わかっちゃうんだろう・・・















『ち、違うのこれは。誤解しないで、花沢類。




今、ちょうど映画観ててね・・・感動してつい泣いちゃって・・・




もう、恥ずかしいところ見られちゃったな』













涙を拭いながら笑ってごまかすあたしを 



見透かしたかのように見下ろしている花沢類。













『来るなら来るって言ってくれたらよかったのに。




とにかく どうぞ中に入って。 




美味しい紅茶入れるから・・・』













あたしは平常心を装っていたけど、





本当は心臓が飛び出しそうなぐらい ドキドキしていた。















・・・『やっぱ、泣いてた・・・そんな気がしたんだよね』・・・










そう言って突然あたしの目の前に現れた・・・花沢類。








その顔を見た瞬間・・・




全てを曝け出して その胸に飛び込みたかった。








でも、できなかった。






できるはずがなかった。









全てを曝け出すということは・・・





道明寺を責めてしまうことになるのだから。






















『これ・・・何?』













床に落ちたままのケイタイの破片を手にして




その形を確認する花沢類。











『あ、あ・・・それね、





さっきお掃除しててケータイ落としちゃったんだ。




ほ、ホント・・・ドジだよね。今、片付けるから』














咄嗟についた嘘。





苦しい言い訳。





落としただけではそう簡単に破片なんて飛び散らない。






言ってしまったあとで 物の道理に気がついた。
















『ふ〜ん・・・そっか』















気まずい沈黙。













・・・なっ、何か話さなきゃ・・・

















『司は?』















『し、仕事だよ。今夜も遅くなるって。




あ、でも・・花沢類が来てるって知ったらあいつ喜ぶよ。





電話しようか?』















『俺・・・別に 司に会いに来たわけじゃないから』













・・・ズキン・・・









・・・分かってるよ。あたしを心配して来てくれたってことぐらい・・・






・・・でも・・・その気持ちをどう受け取っていいのか・・わからない・・・















『あ、あたしなら大丈夫だよ。





電話でも話したでしょ?





確かにこっちの生活は不便なところもあるけど、





慣れればなんてことないし。








花沢類が心配することなんて何もないんだから。









あ、そうだ。いつまでこっちにいられるの?





その間、時間があったら英語教えてくれないかな?






花沢類の英語すごいんだもん。ビックリしちゃった・・・』














・・・どうしよう・・・







・・・ペラペラと  おしゃべりが止まらない・・・















『無理するのやめたら?』












『えっ・・・?』














『せめて俺の前では・・・無理すんなよ』














花沢類はあたしの心を完全に見透かしている。








その真っ直ぐな眼差しに見つめられたら・・・








あたしは・・・













・・・ダメだ・・・











・・・もう・・・限界・・・








・・・この人の前だと・・







・・・自分を偽ることができない・・・















冷たい涙がポロポロと頬を伝っていく。





もう止められそうにもない。















子供のようにしゃくり上げるあたしに・・・近づく気配。






背中越しから伝わる温かな体温・・・




前にまわされた長い腕・・・




ほのかに伝わる優しい香り・・・











いつのまにかあたしは花沢類に包まれていた。











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心、ほどいて・・・第2話(雪乃丞さまとのリレー作品です^^)☆全23話☆

►2008/04/21 09:16 



///CHU♡///







『行ってらっしゃい』









『///おう///』










いつものようにキスを交わして・・・



 広い背中を笑顔で見送りながら・・・



姿が見えなくなるまで手を振ると ドアを閉めた次の瞬間、



言い表せないような寂しさがあたしを襲う。













ここで暮らし始めて1ヵ月・・・




毎日が新鮮で、新しい発見ばかりで


同じベッドで眠り、温かい胸の中で目を覚ます・・・


NYで始まった生活は幸せに満ち溢れていた。










でもそれは最初のうちだけで・・・



大学と会社のかけもちをしている道明寺は日々忙しく



深夜に帰宅することが多くなり、一緒に過ごす時間さえ ままならなくなっていた。















慣れないNYでの生活。




笑って話せる友人も・・・ここにはいない。




たった一人で過ごすには広すぎるこの部屋。





大きなソファーにゴロンと寝転んで本を読んだり、



翻訳機を片手に英語を独学で勉強したりするけれど、



それが終われば ただひたすら道明寺の帰りを待つだけの日々。







気分転換に散歩に出かけようと思っても・・・


やっぱり道明寺がいないと心細い。





銃社会のこの国に、あたし自身 そぐわない気がしていたけど、


道明寺と一緒に暮らす以上、慣れなければいけないと思っていた。










あたしが『寂しい』と言えばきっと心配して傍にいてくれると思う。




でも、それは口が裂けても 言ってはいけない言葉。




道明寺が選んだ道を邪魔するわけにはいかない。





あたしが勝手にノコノコとついてきちゃったんだもん・・・



『寂しい』なんて・・・今更そんなこと言えないよ。



ほんのちょっと寂しさを我慢すればいいだけのことだし。





道明寺にはつまらない心配と負担をかけたくなかった。






















RRRRRR・・・







すでにベッドに潜り込んでいたあたしは その音で目を覚ました。




眠い目を擦りながら あくびをひとつ。








・・・誰だろ・・・こんな夜中に・・・道明寺かな?・・・




・・・ここに来てからほとんど電話受けたことないし・・・




・・・道明寺には出なくてもいいって言われてるけど・・・













しばらく鳴り続ける電話を見つめ、意を決してようやく受話器を取った。





覚えたてのつたない英語だけが頼り・・・












『・・・He・・llo?』










自信のない声で一言。










『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』









・・・?????・・・







一方的な相手の話に





あたしの頭が一瞬にして真っ白になった。








何言ってるのか・・・全然わかんない。






話すスピードが速すぎて・・・





全く聞き取ることが・・・できないよ。























『今、何て言ったか 分かった?』












・・・えっ?・・・




・・・日本・・・語!?・・・








突然 耳にした母国語・・・



驚きのあまり、あたしの睡魔もどこかへ遠くへ飛んで行ってしまった。












『あ、あの・・・えっと・・・どちら様・・です・・か?』











『何、頼りない声出してんの?牧野』










・・・その声は・・・











『花沢・・・類?』











『久しぶりだね・・・』










一ヵ月ぶりに聞いた優しい声。




その声を聞いた途端 熱いものが込み上げてきた。




言葉に詰まってしまったあたしは それを堪えるように受話器をギュッと握りしめた。










『・・・って言ってもまだ一ヵ月だけど。



どう? そっちの生活は慣れた?』













『あ、うん。なんとか・・・ね。



花沢類は?・・・元気だった?』












『牧野が傍にいないから 全然元気じゃなかった』













『えっ・・・?』












『・・・って言ったら司、怒るだろうな』










電話の向こうで花沢類の笑い声が聞こえる。













『花沢類ってば!ふざけすぎだよ。



でも・・・嬉しい・・・。



道明寺以外の日本語 聞くの久しぶり・・・だから』











涙を堪えるあたしの声が少し震えている。











『何か・・・あった?』











花沢類の声が変わった。











・・・気づかれた?・・・












『う、ううん・・・何もないよ。



道明寺は相変わらず忙しいけど、あたしはのんびりさせてもらってるし。



・・・毎日充実してるよ』













・・・ウソ・・・







・・・本当は・・何をすべきなのか分からなくて・・・








・・・毎日もがいてるくせに・・・








・・・寂しさで押しつぶされそうなのに・・・







・・・充実なんて・・・してないくせに・・・







弱みを見せたくない自分がいる。















『そっか・・・。それならよかった』





















それからあたし達はお互いの近況報告をしながら



束の間の会話を楽しんだ。







そして・・・少し間が空いて・・・











『それじゃ・・・またな、牧野』









電話が切れるその瞬間・・・










『はっ、花沢類・・・』











咄嗟に呼び止めた。












『・・・何?』











『・・・あっ・・・ううん。なんでも・・・ない。



それじゃ、みんなにヨロシクね。



・・・バイバイ』















静かに受話器を置いた。







『寂しい』なんて・・やっぱり言えなかった。






まだ1ヵ月しか経ってないし・・・





そんなこと言ったらきっと笑われちゃうよね。












花沢類も・・・



静さんを追いかけてフランスに渡ったとき、



今のあたしと同じような気持ちだったのかな・・・











これが俗に言うカルチャーショックなんだよね・・・きっと。







もう少し時間が経てば、この不安定な気持ちから






必ず抜け出せるはずだから・・・










あたしは強いから大丈夫・・・






だって、雑草のつくしだもん。









大丈夫・・・大丈夫・・・







自分に言い聞かせるように 何度も何度も その言葉を





呪文のように繰り返しながら・・・





いつしか深い眠りに導かれていた。





                                        





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〜red sign☆(TSUKASA side)☆〜The last scene〜完結

►2008/04/16 09:50 

The last scene











腕組み1時間。









足の組み替え数十回。












手にしたタバコは・・・










3分前に吸った”あれ”が最後だった。
























『大丈夫だよ、必ずくるからさ』











苛立ちを必死に抑えようとする俺を刺激しないように  








やんわりと宥める あきら。









一応  俺なりに平然を装い 「あぁ」と答えてみるが、







そんな親友の心遣いも 今は何の救いにもならない。












・・・本当にあの女は牧野を連れて来るのか?・・・













・・・まさか ”幸せボケ”で忘れちまったんじゃねーよな?・・・













あの時、牧野たちが待つ あのビーチに行ってさえいれば






こんなに 不安や焦りを抱えることは きっとなかったはずだ。















・・・やっぱり、こいつらの言うことを聞くべきじゃなかった・・・












・・・あの場で俺の気持ちを 打ち明ければよかった・・・














・・・と 今更後悔しても もう遅い。















『もしかして 帰っちゃったのかもね』












ボソッと呟いた その言葉に 抑えていた感情が爆発寸前。














・・・この期に及んで 類のやつ・・・











右の拳がぶるぶると震えた その瞬間・・・








少し離れた所から 「あっ!」という声が聞こえた。















外の様子を伺っていた三条が俺に向かって 手招きをする。











『司、いよいよだね。




もしかして緊張してる?』













『まさか・・』












・・・と 滋の前で再び”ポーカーフェイスの仮面”を被る俺。











・・・が。









何故か身体がそこに張り付いたように動かない。











”何、ビビッてんだよ?”と 自分自身に発破をかけても








やっぱり 心と身体は正直だった。

























その後 牧野は すぐに教会に入ることはなく






暮れゆく景色を名残惜しそうに眺めていた。











片隅から その横顔を見つめ、






これから自分がすべきことを再認識した俺は 





胸に掌を押し当て 大きく息を吸い込んだ。



























ギィ・・・・・・









それは重厚な・・・








まるで自分の心の扉が開いたような音だった。







静まり返ったこの教会に ピーンと張り詰めたような緊張が走る。









そこにいるのは俺だけだ。










周りのヤツらは 遠くから俺たちの様子を見守っている。












夕焼けのオレンジが眩しくて、









中に入ってきた その顔は ここからよく見えなかった。














けど・・・












そこに現れたのは 他の誰でもなく・・・







俺が生涯を誓った女だった。














『遅せーよっ!』












自分でも驚くような声をあげてしまった俺。










それはイヤミとか そー言うんじゃなくて。









確かに牧野に向かって言った言葉だったが・・・











きっと 俺自身に投げかけた言葉だったのかもしれない。














『どう・・・みょう・・・じ?』












立ち止まったまま きょとんとした顔で俺を見つめている牧野。











そりゃそうだろ?










数時間前 さっさと おまえの前から消えちまったんだからな。















優しく背中を押された牧野は 一歩一歩 ゆっくり俺のもとへ近づいてくる。








何かに導かれているかのように。











・・・そうだ そのまま・・・












・・・脇目も振らず・・・











・・・まっすぐ俺のもとに・・・









・・・そして早くこの手を掴んでくれ・・・
















さっきまで構えていた心が いつしか穏やかになっていた。













『待ってたぜ、牧野』












・・・おまえがここに現れるのを・・・













・・・ずっと・・ずっと・・・















『・・・道明寺っ!』














あと数歩・・・










というところで 涙を浮かべながら 俺の胸に飛び込んできた牧野。

















・・・やっと・・・













・・・つかまえた・・・












『待ってた、おまえを』















初めてだ。








誰かを想って どうしようもなく泣きたいと思ったのは。











こんな感情が眠っているなんて。











この20数年間 気づきもしなかった。













『愛してる』












もう、その言葉しか出てこない。











折れてしまいそうな細い身体を 









こうして躊躇いもなく抱きしめられるなんて








帰国する飛行機の中で 誰が想像できただろうか?












・・・夢じゃねーよな?・・・










・・・夢じゃ・・・














俺の震える手が その存在を 何度も何度も確かめようとしている。













・・・これが夢じゃなくて・・・











・・・現実とするならば・・・












・・・この腕の中に温もりがあるってことは・・・













・・・つまり・・・












・・・答えは「Yes」だと思っていいんだよな?・・・













しばらく泣いていた牧野は落ち着いてきたのか









少し照れくさそうに顔をあげた。











そしてお互いの視線が絡み合うと 静かに目を閉じた。 













俺はその唇に導かれるように ”それ”を寄せようと・・・


















『はい!そこまでっ!!!』












その声が教会中に響き渡ると 牧野はハッと我にかえったような顔をして





慌てて俺の腕から離れた。











その俊敏さ・・・










昔と全然変わってねーけど・・・











なんか傷つく。












・・・すげー いいところだったのによ・・・















チッ・・・っと心の中で舌打ちをした。














『司ってば、 ずる〜い!




つくしを独占しすぎだよっ!』




















『っせーな!邪魔すんなよっ!』













状況が読みこめない牧野は 








俺たちのやり取りを ただ黙って見つめている。














『道明寺さん、5時間も押してるんですから






いい加減 そのくらいにして下さいよ』












いつのまにか牧野の腕を確保している三条。











『5時間って何の話だよ?』












眉をしかめ あからさまに 不満そうな顔をする俺。











ここに来てから こいつらは しきりに時間ばかり気にしてやがる。















バタン・・・










『お・・・、おっ、遅れましたっ!






はぁはぁはぁ・・・』













バトルに発展しそうな雰囲気を蹴散らすかのように






その存在は突如として現れた。











『ゆっ、優紀!!』












牧野は目を丸くしながら その名を呼んだ。





















『よかったね・・・』












どこかホッとしたような眼差しで 俺の隣に並ぶ類。









さっきまでの イヤミったらしい言葉は もうどこにもなかった。










もとはと言えば・・・










全てこいつのおかげだ。










・・・と思っている。













『類、おまえにはいろいろと・・・』















『いろいろと・・・何?』










俺の顔を見ることもなく 淡々と答える類。













礼を言うのが急に照れくさくなっちまって








「だから・・・いろいろだよ」と そっぽを向き ブツブツ言う俺。












『素直に「ありがとう」って言えないの?』









くすっと笑いながら ポケットに両手をつっこむ類に









・・・くぅぅぅ!・・・










もう何も言い返せなかった。













・・・おまえには敵わねーな・・・











『そのぐらいにしとけよ 類』













総二郎が笑ったかと思うと・・・








俺の腕を掴み「おまえはこっちだ」と ぐいぐい引っ張っていく。












『ちょっ、なんだよ!俺 まだ牧野に何も・・・』













・・・謝罪してねーし、 気持ちだって打ち明けてねーんだぜ?・・・











ジタバタと必死にその手を振りほどこうとするが、







いつのまにか あきらも俺の腕を ちゃっかり掴んでいて 








「お楽しみはこれからだぞ?」と意味不明なことを言っている。













・・・なんだよ、そのお楽しみってやつは? ・・・














二人に連行されていく俺の姿が よほどおかしかったのか






腹を抱えながら くっくっくっ・・・と笑っている類。














・・・類・・・








・・・口では うまく言えねーけど・・・







・・・とりあえず・・・









・・・サンキューな・・・

































『なっ、何だよ・・・これ?』














『いいから』















冷静な声であきらが「ほら」と それを差し出す。














俺の目の前にあるもの。











それは・・・












『これって・・・







あの時に着る アレじゃねーよな?』


















『そうだけど?








そんなこと いいから サッサと着替える!』













半ば それを強引に押し付けられ 一瞬 言葉につまる俺。












『きっと 司くんに 似合うと思うよぉ?』








タバコの煙を吐き出しながら 






からかうように俺を覗き込む 総二郎。














「な、なんで俺がこれを着なきゃなんねーんだよ?







意味わかんねーし」と つき返した俺。











・・・これを着る理由なんて どこにも・・・










・・・どこに・・・も?・・・











・・・おい・・・












ちょっと・・まて・・・













・・・まさか・・・















『あきら・・・これって?』













『ビンゴ』











『・・・つまりそれは・・・』













『もちろん 結婚式』










・・・けっ、けっこんし・・き・・・










『だ、誰と・・・誰の?』













『おまえと牧野に決まってるだろ?








他に誰がいるんだよ?』










呆れたように あきらが 俺にもう一度 それを押し付けた。











『牧野が この教会で おまえの胸に飛び込んだら





ついでにケジメつけさせちゃおうぜって・・・







類が言い出したんだ・・・』













・・・類が?・・・













『2年の実刑を終えたご褒美・・・だってさ。







まぁ・・・とりあえず早く着替えろ。







俺らはお姫さまの様子を伺ってくるからさ。








そうそう、式まで新郎はお預けだからな。






呼びに来るまで いい子にして待ってろよ♪』









無造作にタバコを消した総二郎が立ち上がった。










『おい、ちょっと待てよ!








最初に見るのは俺だ・・・』










ムキになる俺を「まぁ、まぁ」と宥め ながらも








「おまえはここで 永遠の愛を誓う言葉でも考えてろ」








と 追い討ちをかけるようなことを言う あきら。















・・・くっそー!!!・・・












・・・二人揃って 俺の牧野を!!!・・・






















部屋をさっさと出て行った二人に 俺の言葉は届くはずもなく。











ちっぽけな この部屋に取り残された俺は







気が抜けて その場に座り込んでしまった。














・・・ふぅ・・・・











・・・今回は やられた・・・













・・・まさか、こんなエンディングが待っているなんてな・・・











苦笑しながら ”それ”をまじまじと見つめる俺。














・・・本当に これ着るのか? もうちょっと派手なヤツにして欲しかったぜ・・・














きっと今頃 滋たちの おもちゃになってるんだろうな・・・牧野やつ。
















こうして おまえと同じ場所に立てるなんて 未だに信じられねーよ。














おまえを傷つけ、泣かしたこと・・・













それは消えることはねーし、俺が一生 背負っていくもんだと思ってる。










だからこそ・・・












その傷を 俺が少しずつ埋めていってもいいか?












あの日から ずいぶん遠回りしちまったけど・・・










これから ずっとおまえだけだから。











おまえがいれば他に何もいらねーよ。












だから 黙って 俺を信じて ついてきて欲しい。












・・・って言っても、おまえのことだ。













きっと 黙っていられないだろうけどな?















ここにいる仲間たちに感謝。












そして・・・











こんな俺のもとに帰ってきてくれた おまえに感謝するよ。












・・・I continue loving you throughout the life・・・
(おまえを一生愛し続けていくよ・・・)










とっくにプロポーズの言葉は探してたんだぜ?あきら。









こうして 立ち会ってくれた仲間たちのためにも。











そして何より俺たちのために。












・・・今度こそ、幸せになろうな・・・





















さてと・・・









これから どんな式が始まるのか楽しみだな。










遠足前日のワクワク気分ってやつ?











な〜んて悠長に言えるのは今だけかもな!?
















                                          Fin








あとがき





red sign TSUKASA sideを最後まで読んでくださいまして

心から感謝申し上げまする。本当にありがとうございました!


最後まであえて書きませんでした。

本編の式に繋がるので。

総二郎くんに渡されたあのカードキーの行方・・・

気になりますね(笑)。

番外編も後ほどUPしたいと思いますが、

またまた思い浮かんだ番外編もありますので 頑張って書き書きしたいと思いまする。



ご感想があれば コメント欄も用意してみましたので どうぞ。

(最近エロのコメントしか入らなかったので削除してたんです)


もちろん拍手コメントでも結構ですよ^^


遅くなりましたが・・・のんびり亀更新でゴメンなさいでした。




           
                            管理人  しゃお☆しゃお


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〜red sign☆(TSUKASA side)☆9〜

►2008/04/08 12:58 

『だから、なんでだよっ?』














『・・・・・・』











『せっかく ここまで・・・』












『・・・・・・』













『俺がどういう・・・』
















『・・・・・・』



















『・・・ったよ』
















『・・・・・・』













『だから わかってるって言ってんだろーがっ!』














『・・・・・・』














『あぁ。・・・・・じゃあな』

























頭に血がのぼった俺は 感情の赴くまま






後ろのシートにケータイを投げ捨てた。












・・・くっそー!・・・











理不尽な電話の後で 倒したままのシートに身を預け 両手で顔を覆う。














滋のやつ。













あんなに檄を飛ばしてたくせに。













・・・いったい何考えてんだよっ?・・・














・・・おまえがこの展開 一番喜んでくれるはずじゃなかったのかよ?・・・














なのに。














「用事が済んだら すぐ帰って来い」だなんて言いやがった。















「何を今更。 俺が今 置かれている状況ぐらい解ってんだろ?」











そう言うと・・・









「そっちじゃダメだ、こっちで気持ちを伝えろ」なんて





意味不明なことを言い出す始末。













・・・なんで そこまで指図されなきゃなんねーんだよ?・・・













俺だって大人なんだぜ?・・・一応。












場所なんて関係ねぇ。













いちいち気にしてたら 日が暮れちまうじゃねーかよ。
















・・・結局。









滋に押されちまった 不甲斐ない俺。











牧野も合流するってことで 渋々納得。











正確には・・・せざるを得なかった。










ここに来たのも あいつら あってのことだし。















・・・でもな、滋?・・・












・・・もし、来なかったらどーすんだよ?・・・














・・・このチャンス逃したら 何の手段もねーんだぞ?・・・

















せっかく上ったボルテージも 急激に下っていく。

























ここに到着してすでに1時間は経過している。









イライラしている最中での この電話。











どっちに腹を立てているのかさえ 解らなくなりそうだ。













情報によると アランという男は今日は休日で





自宅にいるだろう・・・とのこと。


















俺の予定だと とっくに捕獲してる・・・













もとい。












捕まえているところだが。















肝心の相手は留守だった。















古びたアパートの前。











子供が駆け回っているのを横目に じっと車の中で待機中。












今までの俺じゃ絶対 ありえなかった。










もともと 誰かのために動くのは 好きじゃねーし。











仕方ねーよな?乗りかかった船だ。











そう簡単に降りることはできない。














決して牧野に頼まれたから やってるわけじゃねーけど。











あいつが何かしようとしているのに 黙って見過ごすことはできなかった。










素直に助けてやりたいと思った。










そう言えば聞こえはいいかもしれないが・・・。











俺にとっては「償い」に近いものが そこに付け加えられていたんだ。






















通りがかったジイさんに 確認したところ、







間違いなくアランという人物がここに住んでいるらしい。










しかも頬に傷があるということまで教えてくれた。

















・・・しかし遅せーな(怒)・・・














手元の時計をまじまじと見つめ 舌打ちをする。













・・・俺様を待たせるなんて100年、いや100億年早いぜ・・・















牧野も今頃あのビーチで待ちくたびれているに違いない。
















・・・やっぱり、捜させるしかねーのか?・・・












自分だけでヤツを捕まえたかったが、時間もねーし。












不本意だが仕方ねーか。














投げ捨てたままのケータイに手を伸ばしたとき、








車の横を ひとりの男がスーッと通り過ぎて行った。











顔は確認してないが なぜかピンときた。









ケータイなんか そっちのけで 車から降り その背中を追う。













口笛を吹きながら 紙袋を片手に陽気に歩いていく男。












買い物にでも行って来たのかよ?
















『おい、待てよ』












バリバリの日本語で声をかけると







男はゆっくり振り向き 首をかしげ 不思議そうな顔をしている。












俺の目に飛び込んできたのは頬にある傷。













・・・こいつだな・・・










俺はニヤリと笑い、そいつの前を回り込むように 立ちはだかった。





















『コンニチハ。






アナタ・・・ニホンジン・・・デスカ?』













突然発せられたカタコトの日本語に思わず目を丸くする俺。









・・・俺がニホンジンかって?・・・











・・・見ればわかんだろーがっ?・・・










・・・まったくベタな質問しやがって・・・
















『おまえ・・・アランだな?』
















『ハイ、ソウデス。






アラン・ボーダー・・・デスマス』














・・・何だよ?そのデスマスってーのは・・・















『ドシテ・・・ナマエ・・・シッテル?』



















『あぁ、それはだな・・・』














『モシカシテ・・・アナタ』















・・・?・・














『ワタシノ ファン・・・デスカ?』













・・・はぁ?  こいつ、何 勘違いしてんだ?・・・











・・・おまえのファンなわけねーだろ・・・










・・・今、会ったばかりじゃねーかっ・・・














『ジョ・・・ダンデス。







アナタ カッコイイネ。






ニホンデハ・・・カッコイイヒトヲ・・・ナント イウカ・・ワタシ・・シッテル』













・・・何なんだよ、この男・・・











・・・全然違う方へ話が向かってるじゃねーか?・・・



















『イケ・・・イケ・・・イケ・・・』













そのまま言葉が続かない男に心の中で舌打ち。












・・・聞いてやるから 早く言えっ!・・・












『イケ・・・イケ・・・』










イライライライラ・・・











・・・早く言えってーの!・・・













『イケ・・・イケ・・・イケ・・・ポチャ?』










・・・ゴルフかよっ!・・・











・・・あぁぁぁぁ!!!・・・









・・・おまえの日本語講座に いつまでも付き合ってられるかっ!・・・













・・・しょうがねーな、教えてやるよ・・・














『イケメン』















言った後で急に恥ずかしくなっちまった。












・・・俺にそんなくだらねーこと言わすんじゃねーよ・・・













『オオ!ソウデシタ。





ヨカッタ。コレデ・・・・ヨル ネムレル』















・・・「眠れる」って・・・












・・・日本人みたいなこと言ってんじゃねーよ・・・
















『ジャア、ワタシ ハラ ヘッテル。 サヨナラ・・・イケメン』













・・・サヨナラって、おい!・・・
















・・・意味不明な会話の上に スルーかよ?・・・



















『ちょっと待てよ』














『ナン・・・デスカ?イケメン』














・・・そのイケメンっていうのは やめろっ!・・・














おふざけは ここまでだ。















『おまえ、クリスって女・・・知ってるよな?』














『・・・!・・・』














・・・ビンゴ・・・











ストレートに投げかけた言葉に 男の表情が俄かにくもったのを






俺は見逃さなかった。
















『ソンナ・・・ヒト・・・シラナイデス』











男は視線を逸らし 頑なに言い張った。












「ソレジャ・・・」と歩き出した男の 見え透いた嘘に再び舌打ち。













・・・とぼけんじゃねーよ・・・












『知らねーはずねーよな?  自分の女だったんだろ?』













そこだけ強調して言ってやると 男の足はピタリと止まった。


















『昨日、タクシーで日本人乗せたろ。






それも女。若い女だ』
















『・・・キノウ?







ニホンジン・・・オオ!・・・ノセタ。








トテモ カワイイ』














・・・おまえも そこを強調するな・・・















『その女が クリスにおまえを逢わせたいと言っている』













・・・すげーおせっかいな女がな・・・


















『・・・ワタシ・・・アエナイ』














俺に背中を向けたまま 男は首を振り、ポツリと呟いた。

















『何でだよ!?あの女はおまえに逢いたがってるんだぞ?』













あのビーチで俺に見せた表情は きっと おまえを想ってのことだろう。















『Social position is different from her・・・』

(彼女とは身分が違う)










『身分が違うだと?笑わせんな!







おまえ男だろっ!?』



















昔の俺たちもそうだった。










住む世界が違うと何度も引き離された。









何が身分だよ?







同じ人間だろうがっ!


















『おまえ・・・






今、逢わないと一生後悔するぞ?』













『・・・?・・・』













『It is a last chance.』













ハッキリそう言うと男は しばらくの沈黙の後、







何かを決心したような顔でこう言った。














『Where is Chris?』


(クリスはどこに?)









その目は さっきまでの おちゃらけたものではなかった。







やっと本気モードに入ったらしい。











『おまえがカワイイ日本人を乗せた あのビーチだ』















『ワカリマシタ。









アナタ・・・トテモ・・・イイヒト・・・デスマス』
















・・・だから、そのデスマスって何だよ?・・・
















『アナタモ・・・イキマスカ?』

















『いや、俺は帰るよ。







牧野をあの場所で待ってるから』















『マキノ?・・・』
















『いいから行けよ!』












俺がそう言うと 男は嬉しそうに近くに停めてあった






オンボロなタクシーに乗りこみ その場を後にした。













・・・おいおい。タクシー・・私物化・・かよ?・・・
















・・・はぁ〜・・・










・・・おせっかいも疲れるな・・・・













・・・なぁ、牧野・・・












・・・これでよかったか?・・・

















ポケットに片手を突っ込み、車へと歩き出す。











人の幸せに協力するのも悪くねーな。









まちがいなく あの二人はハッピーエンドだろう。








俺って、こんな人間だったか?







思わず苦笑する。












じゃあ、俺は?












俺の未来にハッピーエンドはあるのか?













いや その言い方はおかしい。













俺の辞書には”エンド”なんて どこにもねーし。













死ぬまで ずっとハッピーだからな。













そこには牧野が一緒だという条件つきだけど。















・・・しょーがねーな、帰るとするか・・・












どこまで この気持ちを引っ張るつもりなんだよ、あいつらは。











神様なんて あまり信じねーけど。












ハッピーエンドになるように 少しぐらい祈ってみるか。













・・・んっ?・・・










そういえば電話の向こうで総二郎が確か・・・








「サプライズがどーたら、こーたら」 なんて言ってたような?











・・・なんだよ、そのサプライズって?・・・











俺にとって この旅行自体がサプライズ。










まだ あるっていうのかよ?











ともかく。










今は祈るしかねーな。










永遠の愛を約束してくれる丘に来てくれることを。










来てくれたら永遠の愛を誓ってやるよ。








嫌っていうぐらいに・・・何度もな。













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遅くなってすみませんでした^^;



〜red sign☆(TSUKASA side)☆〜The last scene〜完結・・・読んじゃう?〜

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|更新情報|・ω・`)ノ

7/27*しゃお☆しゃおのひとりごとのような。

ヾ(о-ω・)ノ⌒★ おはなしについて・・・

BlogでUPしたお話はHPに収納する際 ほとんど修正しております。内容が多少異なりますのでご了承くださいませ^^

|ひとこと|・ω・`)ノ

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|sun and moon|・ω・`)ノ

しゃお☆しゃお

Author:しゃお☆しゃお
『花より男子』の二次小説を書いております。
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  • 短めなお話 (4)
  • 短いようで長めなお話・The temperature of the kiss〜キスの温度〜 (32)
  • temperature of the kiss〜キスの温度〜番外編 (3)
  • 長めなお話・red sign(TSUKUSHI side) (18)
  • red sign(TSUKASA side) (10)
  • red sign・番外編 (3)
  • 長めなお話・Light snow〜淡雪〜 (34)
  • 淡雪・番外編 (5)
  • The wind of the early summer TSUKUSHI side (3)
  • 長めなおはなし・A day of the winter (8)
  • 心、ほどいて・・・ (11)
  • きりばん (7)