sun and moon

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day by day

►2007/12/16 02:45 

『いったぁ〜い!もうちょっと優しくしてよぉ!』



あたしの声が部屋中に響く。




『優しくしてるだろ?我慢しろよ。あとちょっとなんだから』




道明寺があたしをなだめながら必死に最後まで続けようとする。



真っ赤な血があたしを覆い尽くす。



『そ、そこ・・・ダメ・・・痛い・・・もう・・・やめて・・・道明寺・・・』



『途中でやめられっかよ・・・』


道明寺はあたしから離れようとしない・・・











『もう、いい!自分でやるから』


あたしは道明寺が手にしていたガーゼを取り返した。



『まったく、自分で転んで逆ギレかよ!』





そう・・・あたしさっき転びました。


近くの公園でたまたま近くにいた子供と遊んでいて・・・


あまりにもはしゃぎすぎて思わず・・・











邸に帰ってきたあたしは道明寺がまだ帰ってきていないことを見計らって、傷の手当をしようと


救急箱を抱えて滅多に誰も入らない奥の部屋へ直行・・・。



どうして・・・いつもの部屋で手当てをしないかって?



道明寺に見つかったら・・・


『いつまでもガキみたいなことやってんじゃねー!!!』


って怒鳴られるに決まってる。



だから、ここなら見つからないと思って・・・


ここはあたしの隠れ家・・・。


滅多に誰も入らないあたしだけの秘密の部屋。


道明寺邸にはいっぱい部屋があるけど、ほとんど使っていないのが現状で・・・


本当にもったいない。


こんなのママたちが知ったら泣くだろうな・・・。


未だに6畳の狭い部屋に住んでるし・・・








周りを確認し・・・そして扉を開けると・・・











『よぉ!』



その声にあたしはビクッとした。



思わずその声のほうに視線を移すと、先客が偉そうにベッドで横になっている。



よぉって・・・あんた・・・。


どうしてここにいるのよ。




『し、仕事は?』


あまりにも突然の出現に怖気づくあたし。




『終わった・・・』




『早く帰って来るなら連絡ぐらいしてくれても・・・』



そうよ、いつも早く帰れる日は連絡してくれるのに・・・

どうしてまた・・・




『おまえ!どうしたんだ?その顔の傷は!!!』




あ・・・

まずい・・・





『あぁ・・・えぇっと・・・』




『バカやろう!何かあったらどうすんだよ!』




やっぱり・・・怒られた・・・





『いつまでもガキみたいなことやってんじゃねー!』





やっぱり・・・言われた・・・





『ゴメン・・・なさい』





『まったく・・・おまえは・・・』




ため息を吐き、立ち尽くしてるあたしの手をグイっと引っ張る。





『ほら・・・手当てするから、ここに座れ』





ここまでがさっきまでの出来事・・・。














『で・・・どうだったんだ?』




『どうだったって?』




『病院だよ!病院!!!』




『あぁ・・・そのことね・・・大丈夫。もう安定してるって・・・』





そう・・・あたしのお腹には道明寺の子供がいる。


結婚して3年目に授かった我が子。


あたしの妊娠を知ったときの道明寺の顔っていったら・・・


もう・・・思い出すだけで笑っちゃう。


すごく喜んでくれたよね・・・





『勘弁してくれよな・・・ホント。心臓がいくつあっても足りねー・・・』



深いため息を吐く道明寺。



道明寺の心配してくれる気持ちが痛いほどよく分かる。


あたしも焦ったの・・・


咄嗟にお腹をかばったけど・・・


変な風に転んじゃって・・・


顔だけを強打・・・


顎・・・擦りむいてしまった。






『もう絶対にガキみてーなことすんなよ!』




『あい・・・』




『あい・・・じゃねぇ、はいだろ!』




『はい・・・』








あたしがこんな身体になってから道明寺は何かとあたしの行動にうるさく口を出してくる。


散歩行くにもそう・・・車で行けっていうし。

車じゃ散歩の意味ないっつーの!



その心配性が・・・最近さらに輪をかけて・・・


それは愛されてる証拠だってよくわかるけど・・・








『で・・・、男か?女か?』



そらきた・・・


道明寺は毎回同じ事を聞いてくる。




『・・・内緒・・・』




『なんで分かってるのに教えねーんだよ!』



だって・・・



『た、楽しみが減っちゃうでしょ?』




『減るだと?減るわけねーだろ!!!名前だって考えなきゃいけねーし!!!』




『あまり怒鳴らないで!この子がビックリしちゃうでしょ!』




『うっ・・・』




これを言うと効果覿面♪


唯一この子があたしを守ってくれるの。





あたしが言わない理由・・・



今から言ったら部屋中がおもちゃだらけになっちゃうから。


男の子だったら尚更大変なことになる。


生まれる前からの贅沢は避けなきゃ・・・




でも・・・もう名前は考えてあるの・・・

まだ内緒。










『どうしてここの部屋にいるの?珍しいよね』



『帰ってもおまえいねーし・・・。タマに聞いたらここにいるかもって』




えぇぇ!?

バレてたの!?

い、いつのまに・・・タマさん・・・。

恐るべし・・・






『なんだよ、そのビックリしたような顔は・・・』



『べ、べつに・・・なんでもないわよ』



『はは〜ん。俺にバレるとまずいと思ってここで手当てするつもりだったんだな・・・』



す、鋭い!




『ち、違うわよ!』



図星ってバレるぐらいにあたしの声は裏返る。




『そんなことより・・・』



あ・・・まずい・・・この雰囲気・・・




『あ、そろそろ食事の用意しなきゃ・・・』



道明寺が甘い声を囁くときは・・・




『後でいい』




『あ、でも・・・』




道明寺があたしを抱きしめたまま離そうとしない。


道明寺の息があたしの耳にかかる。


あ・・・ちょっと・・・

そこは・・・弱い・・・


道明寺はあたしの体を知り尽くしている・・・


だからあたしの一番弱いところを・・・





『しよ・・・』



『今は・・・ダメ・・・』



『したい・・・』





『ダメ・・・』




『俺・・・限界・・・』





『聞こえちゃう・・・』



『ここは聞こえねーよ・・・』




あたしの弱いところを道明寺はわざと攻めようとする・・・。



甘い吐息と息遣い・・・


あたしの思考能力を低下させる悪い薬・・・



誰にも見せないような優しい微笑であたしを包み込む。


その微笑みに騙されて・・・


結局・・・あたしは道明寺の腕の中・・・


いつになってもあたしはこいつには敵わない・・・






道明寺が少し離れた窓際で煙草を吸う。



その背中をベッドの中で見つめながら、ふと思う。



昔のあいつだったら、間違いなくベッドの上で煙草に火をつけてたけど・・・


あたしの身体を気遣って近くでは吸わなくなったよね・・・




でもね、あたし好きなんだよね・・・


煙草に火をつける横顔・・・


すごくカッコイイ・・・・


未だにときめいちゃうし・・・


こんなこと恥ずかしくて言えないけど・・・







あと数ヶ月で生まれてくるあたしとあいつの宝物・・・・


この子が生まれたらどんな顔をするんだろう・・・


想像するだけで笑っちゃう。


あいつのことだから赤ちゃんにまでヤキモチやきそうだよね・・・


これから大きな子供と小さな子供育てていくと思うだけで前途多難・・・


大きい子供はいつになっても成長しないし・・・


ずっとあたしが傍にいて見ててあげないと・・・大変なことになっちゃうもんね。


ホント先が思いやられるわ・・・








そして・・・まだ逢えない我が子・・・



パパとママを選んでくれてありがとう・・・



ずっとずっとあなたに逢いたかったの。


愛の証しとなるあなたに・・・ママはずっと逢いたかったんだよ。



早くあなたに逢いたいけれどもう少し我慢するね。



だからもうちょっとお腹の中でママに甘えて・・・



そして・・・元気な声で生まれておいで・・・



私達の愛する小さな宝物・・・・




道明寺樹くん・・・














テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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