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キリ番・1800Hit〜with eternity〜(雪乃丞さまへ・・・クリスマスのお話)

►2007/12/23 07:22 



あいつと初めて過ごすクリスマス。


凍えた手に吹きかける白い息も、足元の雪の音も、あたしが今ここに存在するという証し。

街並みに美しく飾られたイルミネーションが、より一層気持ちを高揚させる。

この降り積もる雪のように、あたしの心も少しずつあいつへの想いでいっぱいになる。


今夜の待ち合わせまであと1時間。

小さなカフェに入り、バイトで買った白いコートを預けると、いつものお気に入りの席に座る。

湯気が立ち上る熱々のカフェラテでひとときの温もりを感じ・・・

甘い香りの中で安らぎを感じる。

あいつからもらった時計をなるべく見ないように、自分の大切な時間を静かに過ごすの。



ガラス越しに行き交う足早な人々を目で追いながら、去年のクリスマスはあの人波に紛れていたことを思い出す。

あの頃は毎日が不安で不安でたまらなかったけど・・・今は違う。

逢えなくても、同じ場所にいると思うだけで心が落ち着く。

今夜のあたしはいつも以上に心が穏やかみたい。



こうして待ち合わせするのも何度目だろう・・・

邸で待っていればいいとあいつは言うけど、あたしはこういう時間がとても好き。

待っている間、ずっとあいつのことだけを考えられるから。


待ち合わせしても、ほとんどキャンセルばかりで・・・

結局いつもひとりで帰るあたし。

確実に来るという保障はないのに・・・

それでも待っていたいと思ってしまう。

それほどあいつのこと愛してるんだって改めて実感してしまう今日この頃。


そんなこと思えるようになるなんて・・・

出逢った頃のあたしには想像もつかなかったな・・・



でも、このことはあいつには内緒。

だって言ってしまったら・・・もったいないし・・・図に乗っちゃうでしょ?

だから・・・内緒にしておくの。

あたしだけの秘密。




















あいつとの約束の時間が近づいても、まだ俺は仕事に追われていた。

N.Yでの仕事漬けの日々、日本に帰ってきても何も変わらない。

俺としてはあいつを優先させたいが、あいつはそれを許さない。

目くじらを立てて怒り出すのが目に見える。

まぁ・・・そのおかげで妥協せずに仕事ができるんだけどな。



俺が日本に戻ってから、どういうわけかあいつは外で逢いたがる。

変なヤローに捕まるかもしれねーのに。

邸で待ってれば、タマだっているし・・・俺としてはその方が安心なのに。

いつになったらハラハラしないですむようになるんだよ。

全然本人は気づいてないようだけどな。

ひとりの女に振り回されるなんて・・・

道明寺司・・・一生の不覚。


今までの俺は暗闇の中を彷徨っていた。

その暗闇からようやく光が見えて、そこに待っていたのは紛れもなくあいつだった。


よく怒る・・・よく笑う・・・よく喋る・・・よく泣く・・・よく食べる・・・


あげるだけでもキリが無いくらい、あいつの表情はクルクルと変わる。

そのひとつひとつがとても愛おしく思えるのは、俺が心から愛している証拠だ。

あいつを愛することで俺の心のバランスがとれている・・・そんな気がする。



今夜はあいつと過ごす初めてのクリスマスだっていうのに、肝心のあいつは何も要らないという。

昔の俺だったら、どデカいやつをプレゼントしただろうけど・・・

あいつの性格を知っているから今回は無理強いをしないことにした。


でも、ひとつだけ譲れないものがある・・・

これは俺からの一生かけての愛の証し。

それを渡すことだけはクリスマスに免じて・・・

俺様に免じて許して欲しい。




















約束の時間が回ってもまだあいつは現れない。

こういうのはもう慣れてるから、本日2杯目のカフェラテをいただく。

今度はお砂糖を1つ入れて。

熱々の中に小さな気泡を立てて溶けていく。


あたしも気泡と同じみたい。

背中越しに抱きしめられ・・・

あいつが耳元で囁く愛の言葉も・・・

首筋に残す優しいキスも・・・

ふと触れる指先も・・・


この砂糖と同じように・・・


あたしも溶けていく・・・


甘く甘く・・・溶けていく・・・。


何度もキスをしているのに、背中越しから抱きしめられるといつも震えてしまう。

あいつの甘い囁きはあたしの眠っている感情に揺さぶりをかけるから・・・

それが崩れてしまうとあたしがあたしでなくなってしまう。

あいつの思うがままの弱いあたしに・・・




あたしの手元には小さな箱が1つ。

初めて自分で作った小さなリング。

ある日雑誌で目に留まって、見よう見まねで作ったみたの。

しかも・・・おそろい。

でも、高級感ゼロだし・・・

まるでハリガネってバカにされちゃうかもしれないけれど。

形は悪くても・・・これはあたしからの愛の証し。

昔作ったクッキーは食べないで保存しちゃうし・・・

何か形に残したいと思って・・・

製作に取り掛かって3日間。

今朝、やっと完成した出来立てホヤホヤ。

あいつはちゃんと受け取ってくれるかな?






















ようやく仕事も片付いて、車に乗りこんだのは約束の時間から2時間後。

慌ててケイタイに連絡するが・・・


・・・またバイブだな・・・(怒)


相変わらず、そういうもんには無関心なやつ。

そんな相手に振り回されてる俺様っていったい・・・。


あいつは今頃怒ってるだろうか。

昨日の電話で絶対来いと、しつこくメールでも念を押されたしな。

そんなこと言われなくたって、俺は絶対おまえと過ごすつもりだったし・・・

『女のおまえが先に言うんじゃねーよ!』って内心思ってたんだが・・・

珍しく甘えたおまえに免じて許してやる。

いつも強気のおまえが不意に見せる、そのカワイイとこ・・・

俺はいつもメロメロになっちまう・・・

な〜んて口が裂けても絶対言えねーな。



しかし不思議だよな・・・

あいつがここにいると思うだけでこんなちっぽけなイルミネーションでも輝いて見えるんだからな・・・。

さすがの俺様も庶民レベルの感情を持ち合わせるようになったとは・・・

やっぱり、あいつはスゲー女だよ。



















『お客さま・・・そろそろ閉店です』


そう呼びかけられて目を覚ます。



『あ・・・すいません。いつのまに寝ちゃったんだろう・・・』


目を擦りながら手元の時計を確認する。




えっ?まだ22時だよ。


クリスマス期間は24時まで営業って書いてあったのに見間違えたのかな?・・・



小さなため息をひとつ。





・・・えっ・・・今の声・・・



もう一度その声の先に目を移す。




・・・あ・・・
























俺が店に到着したのはついさっき。

頬杖をつきながらこいつはいつもの席に座っている。

驚かせてやるつもりだったのに・・・


・・・なんで、その体勢で寝てんだよ!おまえは類か!?・・・


思わず体を揺すろうとしたが・・・

久しぶりに見るこいつの寝顔・・・


マジやばすぎ!

スゲーかわいい

こんな顔、他の男に見せたくねー!

早く起きろ!



心でそう叫ぶ俺と、もう少し寝せてやりたい俺。



仕方ねーな・・・まったく。



誰にも見えねーように自分の背中でこいつを隠しながら、いつしか俺もその愛しい寝姿に酔いしれていた。
























目を覚ますとそこに道明寺がいた。

あたしはその瞬間、生きてきた中で一番幸せだと思った。

初めて過ごすクリスマス・・・

神様がくれた最高のプレゼント。

道明寺以外何もいらない・・・。

こうして笑ったり、ケンカしたり・・・

毎日があたしへのプレゼントだから。

もう一生分もらっちゃったから・・・もういらないよ。

メリークリスマス・・・道明寺・・・




















俺の声で目を覚ます牧野。

その寝ぼけた顔・・・すげーブスだな。

でも、それを含めて俺はおまえを好きになった。

おまえに出逢えたことが俺にとっての最高のプレゼントだ。

この先、何があろうとも絶対俺の手を離すんじゃねーぞ!

離しても俺が絶対取り戻す。

少し生意気だけどそんなおまえを一生愛していくから。

これからもおまえらしく生きろよ

メリークリスマス・・・牧野・・・
















Fin



HPを立ち上げてから仲良くしていただいている『雪乃丞さま』へ、しゃおしゃおからのお礼を
込めて書かせていただきました。ほとんど押し付け状態です^^;
誰かのためにお話など書いたことがなかったので、しゃおしゃおにとって処女作と言っても過言ではないでしょう。受け取ってくださった雪乃ちゃんに感謝感謝です^^

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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